活動レポート
甲斐駒ヶ岳黒戸尾根の現状を調査してきました
2023.07.11
2023年7月7日、北杜山守隊のメンバーで、登山道の現状調査・対応方針検討のために甲斐駒ヶ岳黒戸尾根(尾白川渓谷〜刃渡りまで)へ行ってきました。写真でおわかり頂けると思いますが、多くの箇所で大規模な裸地化、ステップの崩壊、洗掘が加速度的に進んでいます。踏襲や土砂の流出により、周辺の苔なども枯れたり数が減っている状況が見られました。
早く手を加えないと・・・と気持ちは焦りますが、なんと言ってもここは登山口から現場までの距離が遠い(2〜4時間、標高差1000メートル以上を登ります)! 修復が必要な箇所も多く、規模も大きいので、まとまった時間や人の力が必要です。私たちの活動に賛同し、参加してくださる皆さんの力を借りながら、自然をよく観察して、焦らずに、数年をかけて治して行きたいと思います。
今回は調査を目的として、道具を持たずに山へ入ったのですが・・・あまりにも崩壊が激しい箇所には仕掛けを施してきました。この”ダム”に、どれくらいの雨量でどれくらいの土砂が貯まるのか、実験・観察です。土砂の流出をここでためて、洗掘箇所をある程度埋めることができるか。様子を見つつ、今後の保全作業の方針を立てて行こうと思います。
さて。登山道の保全をしていると、とても嬉しいことがあります。それは、かつて手を加えた箇所が自然に馴染んでいたり、周辺に緑が戻っていることを見れたときです。今回も、昨年5月に修復した場所を観察し、皆で喜びました。左の写真(2022年5月)では登山道の脇の緑が枯れているのですが、右の写真(今回=2023年7月7日)の写真では緑が回復してきているのがわかります。春と夏という季節の違いはありますが、現時点で人に踏まれていないことは明らかで、今後更に色々な植物が回復していくのが楽しみです。
黒戸尾根は、静かで緑豊かな素晴らしい登山道です。これからもこの素晴らしい環境を多くの人に楽しんでもらうために、保全活動に更に力を入れて行きたいと思います。まもなく、会員制度に関してお知らせ予定です。北杜山守隊と一緒に、みんなで登山道を守っていきましょう!
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