私たちについて

パーパス

未来へつなぐ、みんなの山

かつての里山は生活を支える場所でした。地域の人々によって安定的に管理されてきましたが、生活様式の変化や人口減少によって人々が山から離れてしまいました。このままでは、里山の暮らしや風景が失われてしまう。もう一度かつてのように、自然と人の距離を近づけ、共存できる世界をつくりたい。

私たち北杜山守隊は、登山道を守る活動を通じて、地域のみなさま、山を愛するみなさまと想いをともにし、先人より受け継いだ里山の文化、山岳風景を未来へつなぐ活動に全力で取り組みます。そんな想いを、パーパスに込めました。

私たちらしい山岳管理

パーパスの実現を目指し、ビジョン、ミッション、バリューを設定しました。北杜をフィールドに、私たちらしさを活かして活動するための道しるべです。

私たちの特徴

持続可能な連携体制

継続的、かつ、持続可能な保全活動を行う上での、大きな課題である「財源の確保」と「人財育成」を解決するために、〈地域の方々や、北杜山守隊の会員の皆さま、ワークショップ参加者など、活動を支援・参加してくださる方〉〈環境省、山梨県、北杜市などの行政機関〉との連携体制を構築しています。活動は私たちだけではできません。地域の方々や、私たちの活動を支援し、参加してくださる皆さまによって支えられています。そして、行政機関との強固な連携を構築することにより、安定的かつ持続可能な活動がを行うことができます。

持続可能な運営体制

継続的、かつ、持続可能な保全活動のために〈想いを伝えるインタープリター〉〈技をもって施行を行う技術スタッフ〉〈考え、動かす事務局スタッフ〉を運営の3本柱と捉え、属人的ではなく、各機能ごとに複数名で補えるよう、人財育成に取り組んでいます。

登山道保全ワークショップの実施

首都圏からアクセスしやすい環境と、老若男女問わず足を運べる里山というフィールドを活かし、ツーリズムとしての登山道保全ワークショップを実施しています。訪れる皆さまに素晴らしい自然体験を提供すると共に、山岳資源の現状と目指すべき未来を汎く共有し、保全活動という新たな山との関わり方を提案しています。

事業紹介

登山道の整備委託

北杜市より、日向山、尾白川渓谷、甲斐駒ヶ岳黒戸尾根の登山道整備委託を受けています。

北杜山守隊の整備ガイドラインはこちら

登山道保全ワークショップ

登山道の保全活動を、ツーリズムとしてコンテンツ化し、多くの方に里山の魅力、山岳管理の現状や課題を伝える活動をしています。

詳しくはこちら

人財派遣(講師、講演)

整備活動を行なう地域や団体より、組織運営やツアー造成のコンサルティング、技術指導の講師、北杜での活動に関する講演等を承っております。

人財育成・人財交流

インタープリター、技術者、活動をサポートしてくださる会員が、確かな自然観、自然観察力を持った人財となるべく、専門家を招聘した研修や、他団体との合同勉強会、また、異なる環境での研修を実施しています。

物販

北杜山守隊のオリジナルロゴでデザインされたグッズを制作、販売しています。売上は諸経費を除き、保全活動に活用させていただいております。

詳しくはWEB SHOPをご覧ください。

活動実績

ワークショップ、会員活動
北杜山守隊設立2期目(2023年度)より、自主事業として登山道保全ワークショップを開始するとともに、会員制度を設立して会員活動を開始。2024年度には動員数を大きく伸ばし、着実に保全活動の量を増やしています。

日向山での活動が大きく前進し、今後は経過観察と小規模な修復が中心の新しいフェーズに入ります。2025年度は、長い長い甲斐駒ヶ岳黒戸尾根にて、大規模な修復作業の活動量を増やしていきます。

日向山での活動は主に、登山道に付けられた標識「No4」〜「No9」まで(上記地図で緑に塗りつぶした部分)、距離にして1.1kmの区間で行いました。

収支実績

行政の将来的な財源不足を大きなリスクと捉え、2期目(2023年度)より自主事業に本格化に取り組み、設立初年度は収入構成の100%を占めていた整備委託費の割合を1/3程度に留めつつ、増収を実現しています。

自主事業および会費・寄付による財源を確保したことで、3期目(2024年度)はこれまでの約1.7倍の費用を人財育成に充てることができました。今後も、知識・技術のさらなる磨き上げのために、人財育成に投資していく計画です。

北杜山守隊設立にあたって

代表理事の花谷泰広です。2017年4月、甲斐駒ヶ岳七丈小屋の指定管理者となりました。山に賑わいは戻りましたが、登山道が痛んでいく姿を目の当たりにしました。なんとかせねばという気持ちが湧き上がりましたが、自分にはそれを解決する知識も技術もありませんでした。そんななか、2019年の台風19号が南アルプスに甚大なダメージを与える事態が起き、登山道の破壊は一気に進行しました。

もはや自分一人の力ではどうにもならない。その気持ちを周囲に訴えかけていたところ、THE NORTH FACE(株式会社ゴールドウイン)が北杜市との包括連携協定を締結し、状況の打開に向けた具体的な動きが始まりました。一般社団法人大雪山・山守隊の代表である岡崎哲三氏を講師に招いて、登山道の環境保全に関する勉強会を実施し、北杜市行政や地元住民を中心に意識が高まってきました。そして何より、岡崎さんが長年取り組んできた活動に、私自身が一番感化されてしまいました。
(写真は、台風19号によって大きく崩れてしまった甲斐駒ヶ岳黒戸尾根五合目付近)

登山道の環境保全活動に関わることで、関わった人にとってその山は心の山「ホームマウンテン」となります。活動の意味を周囲に伝える。補修箇所が気になって何度も行く。家族や友人を連れて行く。そんな連鎖も生まれます。多くの人を巻き込むことで、その山に対する「当事者」を増やすことができると確信しました。

誰かがやるのではなく、みんなで山の環境を守っていく世の中にしたいと考えています。

理事の小林太一です。花谷さんとの出会いが、北杜山守隊を立ち上げる大きなきっかけとなりました。

私は、北杜市白州生まれ白州育ちの人間です。白州という地で、家系図は江戸時代から続き、父親はサントリー白州蒸留所で森林管理を担当していました。花谷さんとの出会いによって、自分のDNAに刻まれた白州の自然環境を愛し守りたい想いが具現化し、「世界で最も愛される山をつくる」ことを使命として北杜山守隊を設立しました。

甲斐駒ヶ岳を含む南アルプス国立公園は、日本でも有数の山岳地帯であり、ユネスコエコパークにも登録されています。
私は、地元だけで北杜山守隊の取り組みが広がれば良いとは思っていません。北杜山守隊の取り組みを通して、日本中で山の価値や関わり方を知ってもらい、未来に繋がる人と山の関係をつくりたいと思います。

これまで、都市銀行や農業ベンチャー、地場産業支援など、地域ビジネスを中心に取り組んできました。誤解を恐れずに言うと、この登山道整備を通じて、地域が山で稼げるエコシステムを築きたいと思っています。そして稼いだお金で山を守る、自立した循環をまずは北杜市で立ち上げて行きたいと考えています。

 

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