北杜山守隊とは?

誰かがやるのではなく、みんなで山の環境を守っていく新しい仕組みをつくりたい。

2017年4月、甲斐駒ヶ岳七丈小屋の指定管理者となりました。山に賑わいは戻りましたが、登山道が痛んでいく姿を目の当たりにしました。なんとかせねばという気持ちが湧き上がりましたが、自分にはそれを解決する知識も技術もありませんでした。そんななか、2019年の台風19号が南アルプスに甚大なダメージを与える事態が起き、登山道の破壊は一気に進行しました。


台風19号によって大きく崩れてしまった甲斐駒ヶ岳黒戸尾根五合目付近

もはや自分一人の力ではどうにもならない。その気持ちを周囲に訴えかけていたところ、THE NORTH FACE(株式会社ゴールドウイン)が北杜市との包括連携協定を締結し、状況の打開に向けた具体的な動きが始まりました。一般社団法人大雪山・山守隊の代表である岡崎哲三氏を講師に招いて、登山道の環境保全に関する勉強会を実施し、北杜市行政や地元住民を中心に意識が高まってきました。そして何より、岡崎さんが長年取り組んできた活動に、私自身が一番感化されてしまいました。


2021年7月、南アルプスユネスコエコパーク地域連絡会で開催した、初の登山道整備勉強会

登山道の環境保全活動に関わることで、関わった人にとってその山は心の山「ホームマウンテン」となります。活動の意味を周囲に伝える。補修箇所が気になって何度も行く。家族や友人を連れて行く。そんな連鎖も生まれます。多くの人を巻き込むことで、その山に対する「当事者」を増やすことができると確信しました。

誰かがやるのではなく、みんなで山の環境を守っていく世の中にしたいと考えています。

北杜山守隊 代表理事 花谷泰広

 

未来に続く、山と人との繋がりを創る。

花谷さんとの出会いが、北杜山守隊を立ち上げる大きなきっかけとなりました。

私は、北杜市白州生まれ白州育ちの人間です。白州という地で、家系図は江戸時代から続き、父親はサントリー白州蒸留所で森林管理を担当していました。花谷さんとの出会いによって、自分のDNAに刻まれた白州の自然環境を愛し守りたい想いが具現化し、「世界で最も愛される山をつくる」ことを使命として北杜山守隊を設立しました。

甲斐駒ヶ岳を含む南アルプス国立公園は、日本でも有数の山岳地帯であり、ユネスコエコパークにも登録されています。

私は、地元だけで北杜山守隊の取り組みが広がれば良いとは思っていません。北杜山守隊の取り組みを通して、日本中で山の価値や関わり方を知ってもらい、未来に繋がる人と山の関係をつくりたいと思います。

これまで、都市銀行や農業ベンチャー、地場産業支援など、地域ビジネスを中心に取り組んできました。誤解を恐れずに言うと、この登山道整備を通じて、地域が山で稼げるエコシステムを築きたいと思っています。そして稼いだお金で山を守る、自立した循環をまずは北杜市で立ち上げて行きたいと考えています。

北杜山守隊 理事 小林太一

 

北杜山守隊 整備ガイドライン

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