活動レポート
今年度初!登山道保全ワークショップを実施しました(YAMAPユーザー様向け)
2024.04.21
2024年4月20日、登山地図アプリ「YAMAP」のユーザー様を対象に、登山道保全ワークショップを今年度初開催しました。参加者の多くは、北杜山守隊が昨年12月に実施した「YAMAP FUNDING」のご支援者さま。ご支援いただいただけでなく、実際に北杜市の日向山に足を運んでくださったことに、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
今年度のワークショップは、会員の皆さまにサポートを頂いて実施しています。今回は4名の会員の方にサポートに入っていただきました。以下は、会員レポートです。是非お読みください。
▶会員レポート
ワークショップでは、午前中は自然観察、午後は整備を行いました。
自然観察では、遺構から登山道の歴史を学び、登山道の観察から登山道を水が流れ、土砂が流出するメカニズムを学びました。「水の気持ちになってみよう!」と意識して歩いてみると、だんだんと登山道を水が流れるイメージが見えてきます。
また、登山者の心理・行動として段差などを避けて道を外れ、踏圧で植生を壊している現状や、登山道の複線化なども、実際の現場を見ながら学びました。参加者からは積極的に質問や意見が出され、関心の高さがうかがえました。一登山者としても、こうした知識を得て、「登山道を外れないように歩こう」と意識し、少しだけ行動を変えることで、登山道の保全に貢献できることを、ぜひ知ってもらいたいと思います。
午後はガリー(雨水の流れによってできた谷状の地形)の修復です。
登山者が登山道を外れずに歩くために適切な高さや、水の勢いを緩やかにするための角度など、技術者と相談しながら、参加者が自分たちで完成形をデザインします。
いかに登山者が歩きたくなる道を作るか。数か月後、数年後の植生の回復のイメージは?参加者それぞれに試行錯誤しながら、活発なコミュニケーションが生まれていました。
一方で、土を歩荷する、枝を集める、倒木から丸太を切り出すなど、重労働の資材集めにも参加者が積極的に関わり、楽しそうに作業している姿が印象的でした。登山道を行くハイカーの皆さんからも、口々にお礼や応援の言葉をいただきました。
毎回、「かけや」(大きなハンマー)が参加者に大人気です。
長さ11m、幅1.2m、高さ(深さ)1.5mの現場、皆さんの力で嵩上げしてステップを設置し、修復完了!
作業終了後、全員で完成させた修復箇所を、皆さん、自分で歩いて、感触を確かめました。
「どこを直したかわからない!」という感想が、劇的ビフォーアフターを物語っています。
最後の振り返りで、参加者から「楽しかった」「登山道に愛着がわいた」「登山道の見方が変わった」という感想が多く聞かれ、価値のある時間を共有できたことをとても嬉しく思いました。
北杜山守隊では、今後も定期的にワークショップを開催します。ぜひ多くの皆さんに関心を持っていただき、一緒に登山道保全を担っていってほしいと思います。
北杜山守隊会員 矢部